つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

やっぱ、おでんのだいこんでしょ!

寒い日に食べたいものって、やっぱりおでんのだいこんだよね。
なんかそんなことを昔書いたことがあるなぁ。
それは六年前、朝日ネットの『文章塾』に参加していた時の作品だ。
今週はちょっと楽させてもらって、その作品を引用してみよう。

『だいこん』


「だいこんなんて、だいっキライ!」
おでんを前にして息子が叫ぶ。
そんな光景に、ふと昔の自分の姿を重ねる。
何を隠そう、自分もだいこんが大嫌いだった。


だいこんが食べられるようになったのは、一人暮らしを始めてから。
食費が乏しい中、食べられないものがあるということは、
大問題だったからである。


かといって、すぐに食べられるようになったわけではない。
かたくなに拒み続けた食物を、改めて口に入れるということは、
かなり勇気のいることだった。
そんな自分の背中を押してくれたのは、
幼少の頃に体験したある出来事である。


あれは冬の夜、寒さに耐えかねて屋台に駆け込んだ時のことだった。
両親はおでんのだいこんを注文し、おいしそうにそれを食べた。
空腹で寒かったこともあるのだろう。
でも、それはそれはとても、おいしそうだった。


「実は、だいこんはおいしいのでは?」
あの時の両親の顔を思い浮かべなかったら、
こんなことは決して思わなかっただろう。
こうして、久しぶりにだいこんを食べてみた。
二十歳になって食べただいこんは、おいしかった。


自分が親になって、思うことがある。
最も効果的な教育とは、
親が自分の人生を精一杯生きることではないだろうか。
自分ができないようなことを子供に要求しても、
子供は見向きもしてくれない。
子供は、親のウソを見抜く力を持っている。


「やっぱり食べられなーい!」
泣き叫ぶ息子を横目で見ながら、だいこんを口に入れる。
おいしいものを、おいしく食べる。
自分は息子に、どんな顔を見せることができるだろうか。

http://d.hatena.ne.jp/tsutomyu/20051128


あれから六年か・・・
長男も十歳になった。
相変わらずおでんの時は文句を言っているようだが、それには理由がある。
詳しくは、こちら




はてなダイアリー 今週のお題「寒い日に食べたい、あったかーいもの」