マイマイ新加 - つとむューニッキ（はてなダイアリー版）

「あれれ、息子さん、つむじが三つありますよ」
床屋のお姉さんが目を丸くする。
「えっ、三つもあるんですか？」
二つあるのは親のオレも知っていた。
普通の場所と、額の右上（向かって左上）だ。
それに加えて、うなじの上に新たなマイマイが発見されたのだ。

マイマイというのは、オレの故郷の言葉で「つむじ」の事を指す――らしい。
「らしい」と書いたのは、つい最近知ったから。
息子と同じく額の上につむじのある主人公「新子」が活躍する映画、
「マイマイ新子と千年の魔法」で、そう紹介されていた。

実は、オレの額の上にもマイマイがある。
だから、風呂上がりには額の上の髪の毛が跳び上がる。
映画の新子と全く同じ。
それが息子に遺伝する際に、ひそかにバージョンアップされていたとは驚きだ。

オレは、映画の舞台の隣の市で生まれた。
もしかすると、オレと新子の先祖は同じなのかもしれぬ。
するってぇと、オレにも新子と同じ能力が・・・！？
えっ、映画と現実とを混同するなって？
夢の無いこと言うなよ、混同したくなるほどいい映画なんだからさ・・・