つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

二十年前の教訓

ハロウィンと聞くと、アメリカを連想する。
ハロウィンとアメリカが合わさると、日本人留学生射殺事件を思い出す。
あれは一九九二年のことだった。
仮装姿で個人宅を訪れた留学生は、制止を無視したとして射殺されてしまった。


無視したんじゃない。
ただ英語を聞き間違えただけだ。
テレビでそんなニュースが流れる。
だって、制止『フリーズ』と歓迎『プリーズ』はよく似ていたから。


「『フリーズ』って、アメリカでは子供にも馴染み深い言葉なんですよ」
幼少期を向こうで過ごした後輩が、ニュースを見てオレに教えてくれた。
アメリカの小学校では、チャイムの間、直立不動を強制させられたという。
その時に校内中で掛けられる言葉が『フリーズ』なのだ。


えっ、それって・・・
オレは自分の幼少期を思い出す。
何を隠そう当時の山口県では、チャイムは直立不動で居なくちゃいけなかった。
アメリカと日本。妙なところで、妙なしきたりが繋がった。


あの直立不動は、何の儀式だったんだろう?
小学生の時の引っ越し先では、直立不動の習慣はなかった。
それを思い出したのは高校生になってから。
某A大学校の受験のために、自衛隊の施設に行った時のことだった。


朝八時。
施設内のスピーカーからラッパの音が鳴り響く。
続いて流れる君が代
その間、施設で働く人は皆、直立不動だった。


あの事件から二十年。
留学生を撃ったアメリカ人は、刑事裁判では無罪だったが、
民事裁判の賠償で破産したそうだ。
銃は誰も幸せにしない。そんな教訓だけが後に残された。




はてなダイアリー 今週のお題「ハロウィン」