教育の賜物？ - つとむューニッキ（はてなダイアリー版）

「えー、行く所って、桜と駅ばっかりじゃん」
車の中で、長男が唇を尖らせた。
ゴールデンウィークの家族旅行。
オレが決めた行き先に、子供達は不満タラタラだ。

「ホント、パパって駅が好きだよね」
えっ、男だったら駅が好きなのは当たり前だろ？
逆に、駅に興味を示さない息子達の方が心配だよ。
「この調子なら、宿泊先の温泉もたいしたことないんじゃね？」
次男の不満の矛先は、ついに宿泊先に及ぶ。

その時――

「いや」
おもむろに娘が口を開いた。
「パパが選んだ温泉なら、きっと本物だよ」
おお、なんと素晴らしい発言をしてくれるのだろう。

それもそのはず、子供達にはいつも最高の温泉に連れて行っていた。
法師温泉、川湯温泉、鶯宿温泉、湯原温泉、水無海浜温泉。
いずれも足元でポコポコと湯が湧く温泉ばかりだ。
それを娘は、ちゃんと覚えてくれていた。

「うーん、まあ温泉は良かったかも」
帰り道でもまだ、息子達は消化不良の様子。
いやいや、最高の温泉だったじゃないか。
息子達には、まだまだ温泉教育が足りないようだ。
夏になったら、どこか野湯にでも連れて行ってやるか・・・