つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

9と3/4番線に誘われて

「最終作くらいは映画館で観ようよ」
そんなかみさんの提案で、昨年からハリーポッターシリーズを借りている。
第一作目は『ハリーポッターと賢者の石』。
家族の評判は、意外と高かった。


その第一作目を見終わった時、かみさんが娘に何かを手渡した。
「うわっ、ママ。これ読みたかったんだ。ありがとう!」
見ると、ハリーポッターの原作訳本。
娘がこんなにも喜ぶとは、オレにとってかなり予想外だった。


だから、出張先のアメリカの本屋でハリーポッター本を見かけた時、
娘への土産はこれにしてやろうと思った。
値段も十ドルくらいで手頃。
しかし、その直後に悲しい試練がオレを襲う。
どれが『賢者の石』なのか、わからないのだ。


「賢者の石って、確か『PHILOSOPHER'S STONE』だよな。でも、そんなの無いぞ」
オレは青ざめた。
「せめて、全シリーズの副題を知っていれば・・・」
それならば、消去法で『賢者の石』を探し当てることができる。
店員にそんな難しいことを尋ねる英語力も、オレには持ち合わせていなかった。


オレはくじけそうになった。
でも、そんな時、頭に浮かんだのが娘の喜ぶ顔。
娘をあんな風に喜ばせてあげたい。
だから、一か八かでどれか一冊を買って帰ることにした。


「さて、どれを買って帰ろうか?」
その時手にしたのは、『SORCERER'S STONE』。
タイトルからして、一番『賢者の石』っぽい。
そしてパラパラとページをめくるうちに、とあるフレーズが目に飛び込んできた。


PLATFORM NINE AND THREE-QUARTERS


「こ、これだ!」
9と3/4番線。
ハリーポッターが魔法学校に旅立つプラットフォームの名前だ。
これならオレでも知っている。
結局オレは、この『SORCERER'S STONE』を買って帰ることにした。


後で知ったことだが、アメリカ版を発行するにあたり単語の変更があったという。
『PHILOSOPHER』が『SORCERER』になったのだ。
理由は、『PHILOSOPHER』が持つ『賢者』という意味はアメリカでは薄いから。
そんなこと、本屋で聞いてみても、オレの英語力ではわかるわけがない。


だから魔法が使えるとしたら、オレはこう願うだろう。
「地球上のすべての会話が日本語になりますように」と。
えっ? そんな魔法はいいから娘の反応を教えてくれって?
まあ、あれだな。当時中一だった娘には、まだ早過ぎたということだ。
そんな悲しい出来事よりも、こっちの魔法の方が凄くないか。
だって、犬や猫や鳥や亀の会話も聞けちゃうんだぜ。




はてなダイアリー 今週のお題 特別編「魔法が使えるとしたら、どんな魔法を使ってみたいですか?」