サンタの贈り物？
それは一週間前のこと、昨年のクリスマスの出来事だった。
飴を舐めながら仕事をしていたオレは、口の中に違和感を覚える。
「うわっ、なんでこんな時に！」
飴にくっついた歯の詰め物が、ぽっかり取れてしまったのだ。
「仮の詰め物を入れたので、硬い物は噛まないで下さいね。あと粘着物も」
慌てて駆け込んだ歯科医院で、先生が言う。
「それで、ちゃんとした詰め物は、いつできるんですか？」
オレの問いに、先生は翌月、いや翌年のカレンダーを指差した。
うわっ、最悪だ。
正月は餠無しじゃねえか。
予定しているドライブだって、眠気覚ましのガムが使えない。
オレの頭の中で、年末年始の楽しみが痩せ細っていくのを感じていた。
「なに、リス食いしてんのよ」
ホテルのバイキングで片方の頬を膨らませるオレに、かみさんが言う。
「虫歯の詰め物が取れちゃって・・・」
だから歯磨きは大事なのよと、かみさんは子供達を向いた。
「私、ちゃんと歯磨きする。だって、こんな風になりたくないもん」
娘の反面教師になれて、オレも嬉しいよ。
そんなやり取りを見ながら、息子達はニヤニヤしていた。
まあ、仮の詰め物のおかげで、年末年始の暴食は回避できた。
体重だってほとんど変わってないし、子供達への教訓にもなった。
きっとこれは、サンタからの贈り物に違いない。
何事にも感謝。今年は、この精神で生きろってことなんだろう。
はてなダイアリー 今週のお題「私の年末年始」
