つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

「ありますよ、きっといいこと」

先日、邦画のDVDを借りてきた。
『白ゆき姫殺人事件』
湊かなえ作の同名の小説を映画化したものだ。
かみさんによると、映画の方がわかりやすくなったと評判だった。


映画を観て、その理由がわかった。
それは、ネット上のつぶやきを発端とする炎上を描いた作品だったから。
匿名のはずだったのに、渦中の人物の素性がだんだんと暴かれていく。
パソコンの画面を見ているように進む物語は、活字では伝わりにくいだろう。


でも、これは決して他人事ではない。
何故なら、オレはこの日記や小説を匿名で書いているからだ。
ひょんなことで身元を明かしてしまったらどうしよう。
バレてもいいように――そんな消極的な気持ちは作品の内容に反映する。


例えば、塾の講師が副業で残忍なミステリーを書いていたとする。
それが明らかになったら、その塾には子供を通わせたくなくなるかもしれない。
匿名作家という手もあるが、アイディアをパクられた時に裁判が起こせない。
まあ、ビビりのオレには全く関係のないことなんだけど。


映画では、身元を明かされた人はどんどんと窮地に追い込まれる。
追い込む側の人間も、風向きが変われば追い込まれる立場になってしまう。
そんなネット社会の闇を実感させてくれる作品だった。


「ありますよ、きっといいこと」
窮地に立たされた人を救うのは、同じく窮地に立たされた人の行動だった。
そんな映画のラストシーンは、オレの記憶に深く刻まれる。
ストリートビュー同じ風景を眺められるとは、時代も変わったものだ。


参照:『ストリートビューで見る、映画のラストシーン




はてなダイアリー 今週のお題特別編「記憶に残る風景#地元発見伝」