二度目の秋
娘の同級生のお父さんが亡くなった。
お父さん同士だから、自分とほぼ同い年。
登校班や習い事で、娘を通していろいろとお世話になった。
それは一年半前。
肩が痛いと診てもらった病院で、末期の肺ガンと診断されたそうだ。
あと半年の命。去年の秋が最期と宣告された。
それでも彼は仕事に通い続けたという。
登校班の事で電話をすると、元気な声を聞けた。
もう来ないはずだった二度目の秋を迎え、
完治したのではないかと勝手に思っていた。
お葬式。
死に顔を見るまで信じられなかった。
思ったより痩せてはいない。
棺桶に花を添えながら、その姿を心に焼き付けようと目を閉じた。
あんたの息子はいい男になるぜ。
もしかしたら、うちの娘をやることになるかもしれぬ。
その時はよろしく頼む…
目を開けると、彼の顔が滲んで見えた。
はてなダイアリー 今週のお題「〜の秋」