つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

先生はヒーロー

大学でお世話になった先生がいる。
スキーとゴルフが大好きで、週末はいつも奥さんと出掛けてしまう。
その反面、大学に居る時は頭のキレる若手研究者。
遊びと仕事の切り替えの上手さに、当時はすごく憧れた。


怠け学生だったオレは、その先生にオンブにダッコ。
難しい式が解けず、先生が導いた解をそのまま使わせてもらった。
発表会では、もっと勉強しろよと怒られ、
論文は真っ赤に修正されて、オレが書いた文は見当たらなくなった。


卒業してからも、ちょくちょく面倒を見てもらった。
時には仕事の悩みを聞いてもらい、時には一緒にスキーをした。
「上手く滑れるようになったじゃないか」
本当は勉強面で誉められたかったが、それでもすごく嬉しかった。
しかし悔しいことに、先生に誉められたのはそれが最期となった。


五年前の冬。
単身赴任先のマンションで倒れた先生は、そのまま帰らぬ人となった。
今でも消されずにいる先生のホームページ。
そこで微笑む姿を見る度に、もう二度と会えないことが信じられなくなる。


今年の春に職場に赴任した新人が、偶然にも先生の教え子だった。
突然先生がいなくなってしまったので、非常に苦労したそうだ。
「でも、先生の残した言葉があったから頑張ることができたんです」
オレにとってはスキーの言葉だったが、どれだけ励まされたのかよく分かる。
少なくともその後輩とオレにとって、先生はヒーローだった。




はてなダイアリー 今週のお題「あこがれのヒーロー、ヒロイン」