夜泣きに目が覚めるのは何年ぶりだろう - つとむューニッキ（はてなダイアリー版）

深夜、泣き声で目を覚ます。
ぼんやりと映る電灯の下では、かみさんが娘を抱っこしていた。
「おーい、よしよし、どうしたの？」
この春、かみさんは小さな命のお母さんになった。

「大変だ、大変だよ」
翌朝、血相を変えてかみさんが起こしに来る。
「どうしたんだよ？」
寝ぼけ眼のオレに、かみさんは衝撃の事実を伝えた。

「ウンチだよ、ウンチがちゃぶ台の上にあったんだよ！」

ちゃぶ台の上に何故ウンチが？
これはミステリーだ。
その証拠に、誰もこの謎を解くことができない。
かみさんも娘を抱きながら、不思議な顔をしている。

その時だった。
「あれ？　これなんだろう？」と、かみさんがあるものを見つける。
謎を解く鍵は、意外なところにあった。
なんと娘のお尻から、一本の糸が飛び出していたのだ。

「これだよ、すべての原因は！」
オレの推理は次の通りだ。
糸を飲み込んだ娘は、ウンチを上手く出すことができなくて夜中に泣く。
その時、糸に引っ掛かっていたウンチが、お尻を振った時の遠心力で飛んだ。
娘がいるゲージからちゃぶ台まで一・五メートル。十分考えられる距離だった。

「よかったね、お尻から糸が取れて」
娘を抱きながら、かみさんが娘の頭を撫でる。
娘も嬉しそうに「クーン」と鳴いた。
手探りの子犬育ては始まったばかりだ。

えっ、そんな事はどうでもいいから、企画の結果を教えろって？
目標の平均点十五点は達成できず、結局平均点は十ニ点。
順位も十七位だった。
夏こそはきっと！　と、何回同じセリフを言ったことだろう・・・