雨が降っているうちに
オレの花粉症は今がピーク。
カモガヤという、五〜六月に咲くイネ科の雑草が原因だからだ。
先々週はずっと西日本に出張していたが、目が痒くて仕方がなかった。
もしかすると、PM2.5の多さも影響しているかもしれない。
そんなときに飛び込んで来たのが、例年よりも早い梅雨入りのニュース。
オレにとっては恵みの雨だ。
雨粒が花粉の飛散を抑えてくれる。
雨が降っているうちに、カモガヤの季節が終わってほしい。
――雨が降っているうちに。
ん? このフレーズ、どこかで聞いたことがあるぞ。
いったいどこで聞いたのだろう・・・?
薄暗い雨雲を眺めながら、思い出したのは手塚治虫のマンガだった。
『ミクロイドS』
ミクロサイズの虫型人間が、虫による侵略から人類を守るストーリーだ。
主人公は人間の味方だが、主人公の兄は虫の手下となって人間に襲いかかる。
そのピンチを一時的に救ったのは、虫が飛べなくなるほどの大雨だった。
よく考えたら、今のオレとシチュエーションがよく似ている。
無害と考えられていた虫や花粉が、ある日突然人に襲いかかる。
マンガでは、なんとかして虫をコントロールしようとしていた。
花粉には勝てないオレは、薬を飲んで毎日雨を望んでいる。
それにしても、手塚治虫という人はなんというアイディアマンなんだろう。
ミクロイドSが生まれた時代は、環境問題が深刻だった。
それは虫が人間に復讐を誓ってもおかしくはないほどに。
花粉の次は、いったい何が人間を襲い始めるのだろうか?
彼が生きていたら、ぜひ教えてもらいたいところだ。
はてなダイアリー 今週のお題「雨あめ降れふれ」