『A HAPPY NEW YEAR』 - つとむューニッキ（はてなダイアリー版）

それは大学生だった頃。
サークルの集まりの場で流れた曲のイントロに、メンバーの一人が反応した。
「あっ、この曲知ってる！」
声を上げたのは、宴会の盛り上げ役として人気の女の子だった。

「これって、一年の最初に好きな人に会いたいという、すごくいい曲なんだよ」
その言葉にオレは激しく耳を疑った。
こいつが、こんなロマンチックなことを言うなんて、と。
宴会になると酒持ってやって来る鬼姫の意外な一面は、深く記憶に刻まれた。

大学を卒業して、恋愛に悩んでいたオレを救ってくれたのも、その女性だった。
傷心のオレの横で、黙って寄り添ってくれていた。
♪今年も最初に会う人があなたであるように
あの歌を思い出しながら、激しい恋よりも静かな愛に人生を委ねようとオレは誓う。

――松任谷由実作詞作曲『A HAPPY NEW YEAR』。
今ではわが家のテーマソングになっている（とオレは思っている）。
♪こうしてもうひとつ年をとりあなたを愛したいずっとずっと
大晦日の夜、「おめでとう」を言う前にみんな寝ちゃうんだけどね。

えっ、そんな話よりも秋企画はどうなっているかって？
そりゃ、いつものように後悔だらけだが、今回はあることに気がついた。
――他の方の作品を読むたびに後悔が増えていくこと。
これもまた参加の実感なんだと、今回が最後かもしれない企画を楽しんでいる。