安心してください、生えてますよ
見に行って良かったかどうだかわからないが、たまに覗いてみる場所がある。
それは、息子が入っている時のお風呂。
最近、彼らは素っ裸でお風呂から上がって来なくなった。
きっと、生えるものが生えて来たのだろう。
忍び寄るオレの気配がわかるのか、さっとケロリンの洗面器で前を隠す。
次男なんて、蓋を半分閉めて顔だけ出して湯船に浸かっている。
――そんなにオレに見られるのが嫌なのか?
そういう自分も、あの頃は父親にも見られるのが嫌だった。
そういえば、携帯ゲーム機を手にいれる条件にもなってたっけ。
――生えるものが生えて、それを母親に見せること。
生える前の彼らはできると言っていたが、やっぱり無理だった。
まあ、その前に、ゲーム機はサンタさんが持ってきてくれたんだけどさ。
「安心してください、生えてますよ」
彼らがオレの前でそう言える日は、いつになるのだろう。
えっ? 言える頃になったら、そのフレーズは忘れられてるって?
一度見られたら、意外と簡単に開き直っちゃったりするんだろうな。
はてなダイアリー 今週のお題「今年見に行ってよかったもの」