今週のお題：ネタ被りの恐怖――お題小説編 - つとむューニッキ（はてなダイアリー版）

今週のお題は「私の沼」とのこと。
オレが十年くらいハマっているのは、お題小説を書くことだ。
同じお題で書かれた作品を出しあって競う。だから競作企画とも呼ばれている。
今週のお題の小説版――と言えば、分かりやすいかもしれない。

エッセイであれば、ネタ被りを気にする必要はない。
むしろ交流のきっかけとして、あえて他人と同じ話題を選んだりする。
しかし、小説の競作企画は違う。
執筆技術が未熟なオレにとって、ネタ被りは致命的なのだ。

例えば、『かわき、ざわめき、まがまがし』という超短編の場合。
オレは『井戸』を題材にして、必死にお題を消化しようとした。
その時、正選王を獲得したのは、同じく『井戸』を題材にした別の作品。
手押しポンプを扱う兄弟のやり取りを通して、上手く禍々しさが表現されていた。

しかしこれはまだ序の口。オレにとって最悪のネタ被りは、昨年夏に起きた。
――鼻血企画の吸血鬼ネタ事件。
投稿二十四作品中、吸血鬼ネタが五作品もあったのだ。オレのも含めて。
「また吸血鬼ネタかよ」とのネットの嘆きに、頭を抱えるしか術はなかった。

いや、もしかしたら、本当の最悪の事件は来週に訪れるかもしれない。
――超短編タイトル競作『永遠凝視者』。
このお題、絶対にネタ被りするでしょ。しなかったら凄いって。
作品発表はおそらく来週。それまでのスリルとドキドキがたまらない。