つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

オバケと息子

自分を動物にたとえると…、うーん何だろう、息子かな。
えっ?、単に息子がオレに似ただけじゃないかって?
違う、チガウ、それはちがうんだよ〜


キー、キー、ギャー…
今日も子供部屋から、息子の吠え声が聞こえてくる。
小三になった息子はプチ反抗期。
妻の言うことを聞かず、奇声を発するようになった。
そうかと思えば、夜になったら妻にゴロニャ〜ン。
オバケが怖くて、子供部屋に独りで居られないんだそうな。
まったく、どこかで拾ってきた動物のようだ。


そういえば、オレも怖がりだった。
夜はいつも、弟に子供部屋まで付いてもらっていたっけ。
あんたに似たんじゃないの、と妻は言う。
違うよ、オレがこいつに似たんだと、必死の照れ隠し。


それは昔、細い路地の街で独り暮しを始めた頃。
辛く当たる上司に、枕を濡らす日が続いた。
そいつが怖い、早く家にたどり着きたい。
そう思うだけで、夜道の怖がりはどこかへ行ってしまった。
その時、初めて気付いたんだ。
オバケが怖いのは、オバケよりも怖いものが無いということ。
これはとっても、幸せなことなんだ。


嫌だ〜、怖いよ〜
リビングから息子の鳴き声が聞こえる。
いい加減にしろ、とオレが吠えてみても、一向に妻の元を離れようとしない。
それは、父親の叱責よりもオバケの方がまだ怖いということ。
これもまた、幸せの形の一つかもしれない。


オレを動物にたとえると息子。
人間という殻を取り去った時、そこに現れるのは今の息子のような動物であってほしい。
オバケが怖いのが弱点だが、それは秘密だ。




はてなダイアリー 今週のお題「自分を動物にたとえると」
(追記10/16:『週刊はてな』10月15日号で紹介されました!)