つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

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ラストチャンス?

tsutomyu2009-10-19

コンビニで面白い本を見つけた。
『1度は読みたい10の名作短編集』(株)アントレックス
目次は以外の通り。

  1. 芥川龍之介蜘蛛の糸
  2. 太宰治走れメロス
  3. 森鴎外高瀬舟
  4. 夏目漱石夢十夜」(より「第十夜」)
  5. 梶井基次郎檸檬
  6. 宮沢賢治注文の多い料理店
  7. エドガー・アラン・ポー「黒猫」(訳・佐々木直次郎
  8. 横光利一「蝿」
  9. 新美南吉「ごん狐」
  10. 小泉八雲「耳無芳一の話」(訳・戸川明三)


子供に聞かせてあげたい話もいくつかあるし、
読みたかった作品もいくつかある。
ということで、即レジに持って行った。


中でも特に思い入れがあるのが、ごん狐だ。
子供の頃から大好きで、息子にも絵本を買ってあげたっけ。
あと十年くらい経った時の、息子との会話が目に浮かぶ。
「お前が小さい頃、ベッドでよく絵本を読み聞かせてあげたものだよ」
「オヤジぃ〜、”よく”は言い過ぎだろ?ごん狐しか聞いたことないぜ」
あわわわわわ。
そうだった。
自分も、ごん狐しか読んであげた記憶がない。


ではなぜ、ごん狐だけだったのだろう?
ごん狐を選んだのは、前述のように子供の頃好きだったから。
あれほど、自分の子供心に感動を与えた作品はない。
しかし、息子に何度も読み聞かせるうちに、その感動は薄れていった。
子供に感動を与えたいというパワーも、同時に薄れていったんだ。


子供に絵本を読み聞かせる。
これは親になる者にとっては、憧れの行為だろう。
美しき父親像のシーンに、キャッチボールと並んで登場してしまうからに違いない。
しかし実際にやってみると、これがまた大変なのも事実。


息子も小三になった。
この数年が、本を読み聞かせるラストチャンスだろう。
美しき父親像を築きたいという願望と、面倒臭いという気持ちの戦いだ。
そんな時に現れたこの短編集。
ちょうどよい機会だ。早速、読んであげるとするか。
蜘蛛の糸走れメロス注文の多い料理店、そしてごん狐。
おっと、黒猫は・・・、やめておくか。




はてなダイアリー 今週のお題「2009年秋の読書」