ラストチャンス?
コンビニで面白い本を見つけた。
『1度は読みたい10の名作短編集』(株)アントレックス
目次は以外の通り。
- 芥川龍之介「蜘蛛の糸」
- 太宰治「走れメロス」
- 森鴎外「高瀬舟」
- 夏目漱石「夢十夜」(より「第十夜」)
- 梶井基次郎「檸檬」
- 宮沢賢治「注文の多い料理店」
- エドガー・アラン・ポー「黒猫」(訳・佐々木直次郎)
- 横光利一「蝿」
- 新美南吉「ごん狐」
- 小泉八雲「耳無芳一の話」(訳・戸川明三)
子供に聞かせてあげたい話もいくつかあるし、
読みたかった作品もいくつかある。
ということで、即レジに持って行った。
中でも特に思い入れがあるのが、ごん狐だ。
子供の頃から大好きで、息子にも絵本を買ってあげたっけ。
あと十年くらい経った時の、息子との会話が目に浮かぶ。
「お前が小さい頃、ベッドでよく絵本を読み聞かせてあげたものだよ」
「オヤジぃ〜、”よく”は言い過ぎだろ?ごん狐しか聞いたことないぜ」
あわわわわわ。
そうだった。
自分も、ごん狐しか読んであげた記憶がない。
ではなぜ、ごん狐だけだったのだろう?
ごん狐を選んだのは、前述のように子供の頃好きだったから。
あれほど、自分の子供心に感動を与えた作品はない。
しかし、息子に何度も読み聞かせるうちに、その感動は薄れていった。
子供に感動を与えたいというパワーも、同時に薄れていったんだ。
子供に絵本を読み聞かせる。
これは親になる者にとっては、憧れの行為だろう。
美しき父親像のシーンに、キャッチボールと並んで登場してしまうからに違いない。
しかし実際にやってみると、これがまた大変なのも事実。
息子も小三になった。
この数年が、本を読み聞かせるラストチャンスだろう。
美しき父親像を築きたいという願望と、面倒臭いという気持ちの戦いだ。
そんな時に現れたこの短編集。
ちょうどよい機会だ。早速、読んであげるとするか。
蜘蛛の糸、走れメロス、注文の多い料理店、そしてごん狐。
おっと、黒猫は・・・、やめておくか。
はてなダイアリー 今週のお題「2009年秋の読書」