撮り鉄のお気に入りの写真とは
名古屋駅で、”のぞみ”から”ひかり”に乗り換えようとしていた時のこと。
反対側のホームに、カメラを構えた人達が群がっていた。
「あの人達は何を狙っているんですか?」
駅員に尋ねると、ちょっと待っててと時刻表を調べ始めた。
まあ、お気に入りの写真を撮ろうとしているのは、間違いないだろう。
毎年この時期になると、廃止になる列車が多い。
ラストランに群がる人達の映像が、それを感じさせてくれる。
でも、そんな映像を見るたびに不思議に思うことがある。
あそこに写っている人達は、どんなお気に入りの写真を狙っているのだろう。
ラストランを飾る列車の様子?
でもそれは違うみたい。
だって、「そこの駅員どけよ」と叫んでいる人がいる。
ラストランなんだから、駅員が写っていた方が絵になるじゃん。
しかし写真を撮る人達にとっては、駅員は邪魔らしい。
それでは、邪魔な人が写っていない列車の写真?
でもそれも違うみたい。
人が邪魔なら、一ヶ月くらい前に撮っておけばいい。
つまり、あの列車に群がる人達のお気に入りの写真とは、
ラストランで、
しかも邪魔な人が写っていない、
という二つの条件を満たした写真なのだろう。
消去法で考えると、そうとしか思えない。
いやぁ、それは不可能だよ・・・
テレビの映像を見るたびにそう思ってしまう。
「お待たせしました」
駅員の時刻表調べが終わったようだ。
「あと十五分で”五百系のぞみ”が来ますよ。それじゃないですかね」
やっぱりそうか、五百系か・・・
残念ながら、オレが乗るひかりは五分後にホームを出てしまう。
ならば、ひかり号からそいつを撮ってみよう。
相対速度四百キロの無謀なチャレンジ。
お気に入りの写真になるかどうかは運次第だ・・・
はてなダイアリー 今週のお題「お気に入りの写真」