つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

視力か、合格か、それが問題だ

今考えれば全然たいしたことないんだけど、
当時は人生を左右するかのごとく真剣に悩んだ、という話。
本当のピンチとはそんなもの。
何事も無ければ、背後にせまっていた闇に気付かぬことは多い。


それは高校三年生の頃。
春になって、ようやく受験勉強なるものに手をつけたオレは愕然とした。
――目が霞んで何も見えねえ。
すぐさまオレは鉛筆を置き、腕を組んで考えた。
――このまま勉強を続ければ、視力がヤバいことになるんじゃないか?
――しかし、勉強をしなければオレが大学に合格することはない。


今考えれば、勉強をやりたくないという単なる甘えだったのだが、
当時は人生最大のピンチと感じた。
なぜなら、たとえどちらを選んだとしても、
大事なものを失うということには変わりないから。
そんな選択肢を突き付けられたのは、生まれて初めての事だった。


その頃はまだ、人生は与えられるものばかりと思っていた。
一人暮らしという自由。恋人という伴侶。そして、家族という新たな住みか。
その過程の中で失うものがあるとは、全く想像できなかったのである。


両手に沢山の物を抱えている時ほど、こぼれ落ちることを危機に感じる。
こぼれ落ちることに慣れれば、手に残るものを有り難く感じることができる・・・
えっ、そんな説教はいいから早く結末を教えてくれって?
なんとか受かったよ、大学。視力もまあまあだ。
だから最初に言ったじゃん、たいしたことない話だって。




はてなダイアリー 今週のお題「人生最大のピンチ!」