人は人を愛せずにはいられない

それは三年間付き合った彼女と別れた時のこと。
オレが引っ越したことで、離れ離れになってしまったのが原因だった。
それでも週末はこまめに会いに行き、なんとか一年は頑張った。
電話で言い争うことが多くなり、別れはオレから切り出した。

喧嘩ばかりの一年間。
だから未練はなかった。
一年前にはすでに破局していたんだ。
そう割り切って、別れた後に新しい女性をデートに誘った。

新しい女性とのデートはうまくいった。
次の約束もとりつけた。
でも、その女性とその先の段階に進む気が起きなかった。
その女性との関係は、自然消滅した。

きっと馬が合わなかっただけだよ。
自分にそう言い聞かせて、また違う女性を誘った。
色んな女性と遊びに行って、やっとオレは気が付いた。
オレはまだ、アイツのことが忘れられないんじゃないのか?
虚しくなったオレは、女性と遊びに行くのを止めた。

誰も好きになることができない。
今までの人生の中で一番苦しい時間だった。
そんな時、当時話題になっていた映画に立ち寄った。
「ニュー・シネマ・パラダイス」
ラストシーンに涙しながら、そのメッセージを深く心に刻みつける。
人は人を愛せずにはいられない。
心を時の経過に委ねようと気楽になれたのは、この映画のおかげだった。

---

はてなダイアリー　今週のお題「心に残る映画」

（追記3/3：上の映画名からリンクされるはてなキーワードには、ラストシーンのネタバレが含まれています（3/3の朝時点）。これからこの映画をご覧になられる方は、クリックしない方がより楽しめると思います）