つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

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上り銚子ゆき

tsutomyu2013-01-24

「あーあ・・・」
お望みの高級とんかつ屋に入ったというのに、娘はため息ばかり。
「ダメだったのか?」
「最後の英語が、ちょっとね・・・」
今日は私立高校の受験だった。


「英語の試験というのはな、単語とか熟語とかわかるところから解くんだぞ」
急に父親風を吹かせたオレに、娘はするどい視線を向ける。
「わかってるよ。長文が三つもあって、その二問目が時間切れだったんだよ」
「ちょっと見せてみろよ」
娘はバッグの中から問題用紙を取り出した。


なんだこの問題!?
民主党自民党
アメリカやイギリスの議会についても言及している内容だぞ。
おいおい、今どきの高校入試ってこんな英文問題が出るのかよ。
内容がさっぱり頭に入って来ず、オレの頬に冷や汗が垂れてくる。


「た、確かに難しいな、これ」
オレは平静を装いながら、なんとか最後の一文まで視線を流す。
「でしょ!?」
娘の言葉には、試験に対する軽い怒りが込められていた。


「高校側も差別化しようと必死なんだよ。英語の得意な生徒が欲しくて」
すると娘は、「なんで?」という顔でオレを見る。
「英語を学ぶために高校があるんだから、できる生徒を選んでも意味ないじゃん」
「いや、私立高校だから宣伝になるんだよ、きっと。野球なんかがいい例だろ?」
「そうかなぁ」と娘はまだ不満そう。


でも待てよ。
英語は試験の最後の科目だったって言ってたよな。
それって、高校側も意図して難しくしてるってことじゃないか?
だったら解けなくて当然なのかもしれないぞ。


受ける側では気付かない、実施者側からの視点。
そんなものしか与えることができないダメ親だが、娘もだんだんと納得してくれる。
「そうだよね。あんな問題が朝一だったら、皆ヘコんじゃうもんね」
やっと娘が笑ってくれた。


そんな娘への贈りものは、「犬吠」発「銚子」ゆきの切符。
『上り銚子』という、受験生にはありがたい縁起担ぎだ。
犬吠が銚子のはずれにあることは内緒だけど・・・




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