それでも花は咲く
初夏の湿原が黄色に染まる。
ニッコウキスゲの群生だ。
そんな湿原を視察に来ていた方々が亡くなった。
ちょうど五年前の六月のことだった。
二〇〇八年岩手宮城内陸地震。
栗駒山中で起きた崖崩れは土石流となり、下流の温泉旅館を飲み込んだ。
七名の犠牲者の中には、湿原を調査に来ていた方々が含まれていたという。
実は、三十年前にも似たような悲劇が起きている。
一九八四年長野県西部地震。
御獄山中で起きた崖崩れは土石流となり、下流の温泉旅館を飲み込んだ。
行方不明の九名は、いまだに発見されていないという。
温泉があるから地震が起きるのか、それはわからない。
確実に言えるのは、脆く崩れやすい火山の谷筋に温泉が湧くということ。
そして火山が造り出した高原や湿原に、色とりどりの花が咲く。
似たような悲劇は、今後も繰り返される可能性がある。
御獄の濁川温泉は埋まってしまったが、栗駒の駒の湯は湧き続けているらい。
そしてこの春から、日曜日限定の足湯が始まった。
その近くに広がる世界谷地湿原。
今年も、ニッコウキスゲの花が湿原を黄色く染めている。
両災害で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
はてなダイアリー 今週のお題 は「お休み」らしい