つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

やっぱ、風立ちぬ?

この夏、読みたい一冊は堀辰雄の『風立ちぬ』かな。
だって、ほら、今ジブリアニメで話題だから。
でもこの本って、二十年前に読んだきりなんだよね。
覚えているのは軽井沢での出会いとか、サナトリウムでの療養とか、ほんの断片。


よし、久しぶりに読むぞ!
せっかく電子書籍リーダーも買ったことだし、無料文庫でも探してみるか・・・
しかし、出てくるのは有料書籍のリストだけ。
仕方がないので、自宅の奥をごそごそと探して当時の本を見つけてきた。


「なに、その古ぼけた本は?」
カミさんが不思議そうに覗き込む。
それもそのはず、これは昭和に印刷された本だから。
字が小さくて目がしょぼしょぼするけど、頑張って文学作品に触れてみた。


――主人公の心理描写が美しい作品だなあ。
人生二度目の『風立ちぬ』読了の感想。
やっぱり小説って、読者を主人公の気持ちに共感させてなんぼかも。
それはきっと、堀辰雄の時代も今も変わらないのだろう。


主人公は絶えず自問自答する。
自分の気持ちは、真に婚約者のことを想った結果なのだろうかと。
それはきっと当事者にならないとわからない。
自分ならどう感じるか? オレもページをめくりながら自問自答していた。


さて、前述のように、同じタイトル名のジブリアニメが先週末に公開された。
主人公は、自分の考えをストレートに表現することが仕事の技術者。
そんな生真面目な人間が、女性と巡り会ってどんな自問自答を繰り返すのか?
堀辰雄の『風立ちぬ』に対する宮崎監督の答えが明らかになる。




はてなダイアリー 今週のお題 「夏に読みたい1冊」