つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

湖面に映る白いアーチ橋



夏と秋は湖に沈んでしまう、ロマンチックなアーチ橋がある。
――タウシュベツ橋梁
昭和三十年まで旧国鉄士幌線として使われていたコンクリート橋だ。
五年前、JRフルムーンのポスターを飾った白いフォルムは、多くの人々を魅了した。


この橋があるのは北海道のほぼ真ん中、上士幌町
町北部の糠平ダムの建設によって、この鉄道橋は湖に沈んでしまった。
しかし、発電を行なっている冬の間は、水位が下がって橋は姿を現す。
それはまるで、凍りついた湖が時を取り戻したかのよう。


春になってダムが発電を休むと、だんだんと湖に水が貯まっていく。
すると、白いアーチ橋は足元を水につける。
水位がさらに上昇すると、その美しい姿を湖面に映し始めるのだ。
そして夏が過ぎると、橋は完全に湖の中に沈んでしまう。


ところが、この二年間、夏でも橋は姿を現すことが多くなった。
それはなぜか?
答えは簡単――ダムが夏でも発電しているからだ。
原発停止によって足りなくなった電力を補うため、ダムの力が必要とされている。


青い夏の空と白いアーチ橋。
このコントラストを目に焼き付けるのは、今がチャンスだ。
それにしても、こんなところにまで震災の影響が及んでいるなんて。
今年の秋は、紅葉に映えるアーチ橋を楽しめるかもしれない。




はてなダイアリー 今週のお題 :特別編「はてなブログ フォトコンテスト 2013夏」
夏の写真2013〈ひと夏の思い出をブログに残そう〉