つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

おっさんの秋が来た

今年のアメリカ大リーグ最終戦のこと。
王者が決まったその瞬間、マウンドに立っていたのは一人の日本人だった。
上原浩治、三十八才。
たった二つの球種でピンチを切り抜けるその姿は、もはや芸術と言えるだろう。


上原選手は、日本にいた時、オレの嫌いなジャイ〇ンツの投手だった。
なぜその球団が嫌いかというと、いろいろなゴタゴタを見せつけられたからだ。
当時の江△や桑◇が子供の目にどう映ったか、今さら語る必要もないだろう。
そんなジャイ〇ンツの投手が好きになる出来事があった。


それは、十四年前の十月五日。
一人の男がマウンド上で涙を流した。
ホームラン争いをしているチームメイトのために、敬遠を指示されたからだ。
後に『上原の涙』と呼ばれる一件である。


正々堂々と勝負したかった彼は、悔しくてたまらなかったに違いない。
そんな彼の姿に心が震えた。
それ以来、無条件で彼を応援している。
今回の活躍も、心からおめでとうと言いたい。


実は、ジャイ〇ンツと同じ系列チームにいたカズも嫌いだった。
系列チームを去る時に現役引退という、ありがちなラストを選ぶと思っていた。
しかし彼はいまだに現役選手を続けている。
彼の情熱は本物だ。チームで好き嫌いを決めていた自分が恥ずかしい。


先日、カズはJリーグ最年長ゴール記録を更新した。
カズといい、上原といい、ベテランの活躍はオレにやる気を与えてくれる。
情熱を持って東大野球部を指導する桑◇も、だんだん好きになりつつある。
人の心は人を動かす。自分も一瞬でいいからそんな人になってみたい。




はてなダイアリー 今週のお題特別編「芸術の秋」