つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

つとむューのニッキです。

あの水はどこから?


紅葉のライトアップに行ってきた。
先週ちょっと触れた、元禄の時代に柳沢吉保が七年かけて整備した庭園だ。
真ん中に大きな池が広がり、ちゃんと島も造られている。
それは素晴らしい庭園だった。


でも、この池の水って、一体どこから持ってきたんだろう?
庭園は、江戸の台地の上にあるというのに。
昔から井戸の水を汲み上げていた、というわけでもあるまい。
きっと台地の上に水路を造って、上流から水を運んでいたのだろう。


調べてみると見つかった。
――千川上水(せんかわじょうすい)。
多摩川を水源とする玉川上水から分岐し、練馬、板橋と流れる水路だ。
湯島聖堂寛永寺浅草寺等への給水を目的として、元禄九年に工事が始まった。


その途中にあるのが、件の庭園。
柳沢吉保がこの水に目を付けたのは、当然のことかもしれない。
庭園が造られた時代も、上水が掘られた時代と重なる。
台地の上の人口池のために、貴重な上水を使う。優雅な元禄の世が偲ばれる。


しかし、この平和な時代は永く続かない。
元禄十六年に起きた関東地震が、江戸の町に大きな被害をもたらした。
ちなみに、赤穂浪士の討ち入りは元禄十五年の師走。
大石内蔵助が計画にもう一年費やしていたら、討ち入りは無かったかもしれない。




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