読みやすい作品で社会風刺を - つとむューニッキ（はてなダイアリー版）

憧れの人って誰だろう？
子供の頃は、金持ちっていいなあって思っていた。
だって何でも買えるじゃん。
でも大人になるにつれ、お金が必ずしも幸せに繋がらないことを知る。

それは四年前、従兄弟が不慮の死を遂げた。
後から聞いた話だが、彼が健康を害したのはお金が原因らしい。
過去に手に入れた保険金のせいで、真面目に働くのがバカらしくなったのだ。
彼が亡くなった時、保険金はすでに底をついていた。

人間って、適度に貧乏でちゃんと働いていた方が、健康に暮らせるんだなぁ。
そういうことを実感する度に、星新一のショートショートを思い出す。
昔読んだ作品に、こんな内容があった。

ある日、地球は宇宙人に支配される。
その宇宙人は、地球人に美味しい食べ物を与え始めるのだ。
そして、それを食べて太った人は突然消えてしまう。
主人公は、家族が食べ過ぎないよう我慢させながら生き抜くことを誓うのであった。

なんて作品だったかな・・・
でもこれって、現代社会そのものだよね。
誘惑に負けると身を滅ぼすという点が共通している。
読みやすく短い作品で、的確に社会を風刺してきた星新一。
そういう意味では、オレの憧れの人かもしれない。