つとむューニッキ(はてなダイアリー版)

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オレはゴクリと唾を飲み、スパッツに手を伸ばす

tsutomyu2016-06-23

就職したばかりの頃、突然山に行くと言われ、オレは急いで用具を揃えた。
――リュック、登山靴、雨具、コンロ、ライトなどなど。
そして用具リストにある『スパッツ』を買い忘れたことに気付き、
慌ててサッカー用品店に駆け込んだ。


なんでこれ、登山に必要なんだろう?
疑問に思いながら、ピッチリとしたスポーツ用スパッツをズボンの下に穿く。
太ももが引き締められて、怪我防止に役立ちそうだがトイレで面倒くさい。
とても必需品とは思えなかったオレは、知り合いに訊ねて笑われた。


靴を覆うように足元に巻くもの――それが登山用スパッツだったのだ。
それ以来、オレはなんだかスパッツを敬遠するようになった。
実際、雨の日やぬかるんだ場所を登らなければスパッツは必要ない。
しかし最近、登山ガイドをめくるうちにオレは悩ましい文言を発見する。


『富士山の下山時には、スパッツが小石よけとして役立つでしょう』


富士山――それは、日本人ならいつかは辿り着きたい天下の頂。
某所GW企画でも、富士山に纏わる神話をモチーフにしたばかりじゃないか。
――富士山周辺に伝わる、かぐや姫の神話。
カグライブ!〜三人の転入生〜』で描いた神話の舞台にオレも立ってみたい。


だからオレは、ドキドキしながら登山用具店でスパッツに手を伸ばす。
これを買ったら、クライマーに近づくんじゃないかと変な高揚感に包まれながら。
ちなみに、パンチラ防止用スパッツのストーリーも書いたことがある。
そちらの方には手を伸ばしたことはないが……




はてなダイアリー 今週のお題「雨の日グッズ」